「学校改革、良好な成果」 千葉市教委が検証結果まとめ 現役進学率などアップ 市立千葉高・市立稲毛高

 千葉市教委は25日、2005年の市立高校改革基本方針を受けて市立千葉、市立稲毛の両高校で行ってきた学校改革について、最終的な評価、検証結果をまとめた。両校とも4年制大学の現役進学率、国公立大学の現役合格者数が上がるなど進学実績が向上しており、生徒や卒業生から高い満足度が得られているという。市教委は「良好な成果を収めている」として、実効性を高めるための優秀な人材の確保など、今後の対応を検討している。

 市教委企画課によると、市立千葉高では07年、進学重視型の単位制を導入し、科目選択の幅が広がった。スーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定校になり、理数教育に力を入れてきた。一方、稲毛高は同年、国際人を育成する中高一貫教育を目指して付属中学校を設置。英語力やコミュニケーション能力の育成に注力してきた。

 評価、検証の最終結果は昨年、稲毛高付属中の内進1期生が高校を卒業したことに合わせて、これまでの改革を検証しようと市教委がまとめた。11年の中間まとめを踏まえ、両校や市内小中学校の校長を交えて検証した。

 4年制大学の現役進学率は、市立千葉高が04年度の50・5%から12年度には73・0%まで向上した。稲毛高も同期間に、54・3%から69・3%に上がった。両校とも、国公立大学の現役合格者は増え、進学実績は向上している。

 また、保護者や生徒らに対して行ったアンケート調査では、市立千葉高では「充実した施設・設備」、稲毛高では「先進的な英語教育」や「中高6年間の継続的な指導」に高い満足度が得られていることが分かった。市立千葉高校の三木千恵子校長は「125校ある県立高校でここまでの特色を出すのは難しい。市立高校だからこそ実現した」と意義を語った。

 一方、改革に携わってきた現場の教職員は異動の時期を迎えている。市教委は先進的な教育を行う上で必要な人材を確保するため、県立高校の教職員から異動希望をもらう「公募制」を両校に導入することを、県教委と協議して検討する方針。また、調査結果を踏まえて地域との連携強化、外部教育機関などへの成果発信も目指すとしている。